事業に掛ける想い・志

合同会社メドテックコンサルティングが目指すところ

30年以上に亘る応用化学を基盤とした研究開発の経験を元に、

日本の優れた科学技術を社会実装するお手伝いをさせていただきたいと考えております。

とりわけ医療分野へ進出するためには、我が国ならではの特殊性を理解した上で研究開発戦略やビジネスプランを構築しなければならず、

この点が我が国の医療分野が欧米に後れを取っている原因の一つと考えております。

学術集会等での講演や懇親会等でのご挨拶の場ではお話しさせていただいておりますが、

メドテックコンサルティングで実現したいことについての想いをここに記させていただきましたので、お時間が許す方はご覧ください。

 

自己紹介

学術的専門 ~ 化学工学 ~

私の学問的専門は化学工学です。

あまり馴染みが無い学問かも知れませんが、工学部において化学を取り扱う分野です。

英語ではchemical engineeringと言いますが、私が大学の学部を卒業した年(1983年)、

American Institute of Chemical Engineersによって化学工学の定義が提示されています。

非常に幅広い領域を対象としていますが、私は大学において、

化学装置と化学プラントの設計、運転、管理を取り扱う学問と習いました。

 

その中にあって、私は少し変わった研究室で勉強させて貰いました。

そこでは、化学工学の目で生体を見るとどう見えるかということを研究対象とし、それは生体化学工学と呼ばれていました。

 

色々なことをやってきました!

  • 血液レオロジー
  • 新規ポリエステル樹脂開発
  • 新規血液透析器
  • 血液浄化法の至適処方
  • 放射性物質の濃縮回収技術
  • ECMO: ExtraCorporeal Membrane Oxygenation
  • ハイブリッド人工肝臓
  • 新規がん療法
  • 細胞マニピュレーション
  • MPS(Microphysiological Systems)

 

大学院の修士課程を修了し、

総合化学メーカーで約5年間エンジニアとして勤務した以外は、

 

40年間位、広い意味での医療分野の研究開発に従事して参りました。

 

その間、生体化学工学と企業で身に付けた高分子工学の知識を利活用し、

化学の技術を医療分野に社会実装する、というスタンスで臨んでおりましたし、これからも同様です。

 

日本の製造業の再生を願って

話は少し変わって、日本の製造業が置かれている状況について調べてみました。

日本の製造業が、逆風におかれていることは周知の事実ですが、

その中でも医療分野は特に厳しい状況にあります。

私が学生の頃、我が国は貿易立国と習いましたが、

その中で医療分野は輸入超過状態にあります※1

特に医薬品の貿易赤字は年々増加しており※2、医療機器も同様です※3

 

観光立国なのだろうか?

ここでさらに話が変わりますが、Covid-19のパンデミックの際、

マスコミが度々インバウンドの激減を問題視して取り上げていましたので、

観光業がGDPに占める割合を調べてみました。

その結果、我が国は他の先進国に比べてやや低いものの、いずれにせよ10%にも届いていないことがわかりました※4

 

一方で、かつて世界を席巻した電機業界ですが、

いわゆる白物家電の衰退に伴って、現在は貿易黒字が出ない状況となっています※5

 

日本の産業全体から見て、このことはインバウンドの問題以上に危機的状況にあると考えます。

このような日本の産業全体の状況を認識した上で、技術の社会実装を考えていかねばならなりません。

 

 

エンジニアとして40年弱、学んだこと

私は、社会に出てから40年程、エンジニアとして技術の社会実装に取り組んできたことで、色々と学ばせていただきました。

それらの経験は、皆様方にもきっとお役に立つものと確信しております。

 

Death Valley(死の谷)と橋渡し研究, バトンゾーン

いわゆる死の谷といわれるものはご存じかと思いますが、

その死の谷を越えるための橋渡し研究の重要性が指摘されています※6

そのためには、基礎研究から応用へ技術を引き継ぐためにバトンゾーンを意識する必要があり、

理化学研究所ではバトンゾーンを強化するプログラムが設定されました※7

 

しかしながら、私はこれまでバトンが上手く手渡されない例や、

あるいはバトンゾーンに入った時点でバトンを放り投げてしまう例を、少なからず見て参りました。

 

それらから、バトンの受け渡しをお手伝いする役が極めて重要だという思いを強くしました。

 

ユーザーニーズを理解した上での橋渡し

また、シーズとニーズを上手にマッチングさせないと橋渡しは上手く行きませんが、

実用研究では特にユーザーニーズの抽出が極めて重要となります。

 

例えば、患者さんがもっと良い松葉杖を欲しがっているとします。

患者さんがイメージするのは、こういった軽くて丈夫なものですが、

 

ニーズの本質が研究者・開発者にちゃんと伝わらないと、

こんなものを作ってきてしまいます。

 

これはあくまで誇張した話と思われるかもしれませんが、

似たような例を数多く見てきた私には、決して大げさだとは思えません。

優れた科学技術はあるのに、ユーザーニーズが伝わらないために、

このような事が繰り返されることは悲劇です。

これを打破し、国産医療機器で世界で戦う日本を見たいですし、

再び世界で求められる貿易国への復活を遂げてほしいと思います。

 

 

様子眺めの群衆から、ファーストペンギンとして一歩を踏み出す企業を応援したい。

それから、少し話は変わりますが、新しい分野の場合、

先行している研究者・開発者を模様眺めして、

なかなか1歩を踏み出さないこともしばしば見受けられます。

 

このような状況を如何に打破するかも、新しい分野を切り開く上で重要です。

当社は、勇気をもって一歩を踏み出した会社様の

医療分野での事業展開を精一杯サポートいたします。

 

煩わしいことは全部お任せください

異分野との融合によりイノベーションを起こすことが、

これまで解決できなかった医療課題を解決するためには重要であり、

それには、貴社の技術を含め、様々な分野との協力が必要です。

ある分野で難しいと思っていたことが、別の分野で難しくなかった(餅は餅屋)、

ということは多々あり、それは医療分野においても同じです。

臨床現場の声に答えるためには、医学基礎研究のみで解決できることは限られており、

異分野融合は欠かせません。

 

しかし、異分野と協力するには、相手方の領域についての理解が必要です。

正しく対話するためには、これまでの専門分野の知識に加え、

新しいことを学んだり情報調査を行ったり…、やるべきことは多岐にわたります。

また、事業展開の方法も製品の性質によって異なります。

特に、 医療分野特有の難しさもあります。

そこを理解できないまま他業界からの医療分野に飛び込んでいくと、

これまでの業界・研究分野での常識が通用せず、

ニーズの本質を理解できず使えないものが出来上がったり(前述、松葉づえの例)、

製品化にはこぎつけても、事業化までに断念することが生じてしまいます。

 

しつこいようですが、医療分野展開には、相手方の学問、技術分野の知識や、

医療分野特有の商習慣などの理解が特に重要となりますが、

それを自前で行うことの難しさは想像に容易かと思います。

バトンゾーンの話や、死の谷の話などでも出たように、異分野の橋渡しが、

特に医療分野における技術開発では重要なのです。

 

専門分野での研究だけでも簡単ではないのに、

異分野展開にはそのような高い壁も全部乗り越えなければいけないのか…、

と辟易されたかもしれません。

でも、安心してください。

それ(異なるbackgroundを持つstakeholder間の擦り合わせ)も、餅は餅屋です。

全部当社にお任せいただけます。

 

貴社(貴方)は、自社(ご自身)の研究・開発をしっかり行い、

異分野との協力時、異分野の方との調整時、事業展開時のあれこれは、当社にお任せ下さい。

当社はそれを行えるだけの経験と知識を有しております。

※煩わしいことは全部任せて、各専門分野の皆様は、ご自身の専門分野で力を発揮してください。

 

 

合同会社メドテックコンサルティングのご紹介

最後に、合同会社メドテックコンサルティングについてご紹介し、

皆様にどの様にお役に立てるのかをお話しさせていただきます。

 

あくまでも主体は皆さまです。でも、

私は、私の持っている情報を皆様に一方的にお伝えするつもりは毛頭ありません。

 

是非、一緒にやらせてください!

 

私を皆様の組織の一員とお考えいただき、お使いいただければ、と考えております。

一員として

 

こんなシーンで

あくまでも主体は皆様方ですが、例えば新しいことをやりたい際に、

  • 技術のミッシッングパーツを特定をしたり、
  • 最適なパートナーを捜したり、
  • 技術導入判断のお手伝いなどをするなど、

そのいずれか又は全てを行うことがお役に立てる例として挙げられます。

 

サービスの詳細や事例は、事業内容をご覧いただくか、

お気軽にお問合せいただければと思いますが、一例として、

創薬支援技術の開発を例に、少し具体的にお話しします。

 

ベンダー企業の役割, バリューチェーンの構築

創薬支援技術の開発の流れは簡単に書くと、

ベンダー様の開発者はユーザーニーズを聞き取り、

②外注を含む生産現場と調整しながら、試作品を作製し、社内評価で性能を確認後、

③-1 試作品と評価結果をユーザー様に提示します。

③-2そこでユーザー様のo.k.を頂くと、

④-1 サンプルをご提供し、

④-2 ユーザー様でご評価いただき、

⑤ サンプル評価がo.k.ならば

⑥販売

となります。

しかし通常は「④-2 サンプル評価」が1度でo.k.(⑤サンプル品o.k.)となることはないので⑥には進めず、

次のプロセスは「④-3 評価結果開示」となります。

そして、④-1~④-4を何度も繰り返すことになります。

医療分野の製品は、基本的にはテーラーメイドなので、

開発、製品化にはこのサイクル( ④-1~④-4 )が極めて重要です。

また、そのサイクルを回す部分は、医薬品メーカーにおけるMRの立場で薬育するイメージで、

ベンダー様もユーザー様から求められる内容を御用聞きのように深掘りして聞き取ることも必要になります。

初めて医療分野に展開するユーザー様、ベンダー様はこの過程が大変すぎて、面食らうことが多いようです。

特に、④-3の評価結果の開示をすることに抵抗があるユーザー様も多いかと思います。

しかし、性能を満たした部分と足りなかった部分をベンダー様に開示( ④-3 )し、

その後、再改良後のサンプル提供( ④-1 )を行い、

さらに、再度サンプル評価( ④-2 )し、

というサイクル( ④-1~④-4 )を何度も何度も回す必要があります。

医療分野以外の産業分野の企業様はこのインターフェースに慣れておられませんので、

このサイクル( ④-1~④-4 )をご一緒にやらせていただき、

さらに必要ならばここを担う人材教育のお手伝いもさせていただきます。

 

Life Workとして

最後に、前職の時から関わってきたライフ・ワークとでも言うべき課題について、ご紹介させて下さい。

 

1つは、ヒトの初代細胞を確保する体制を整備したい、ということです。

我が国ではヒトの初代細胞を確保する体制ができていませんので、

iPS細胞をメインとする幹細胞の研究開発に過大な負担が掛かっています。

私は、前職の際、経済産業省の有識者会議で検討したことがありますが、

我が国でヒトの初代細胞を産業利用することについて、何ら法的制約はありません。

 

もう1つは、創薬支援のための基盤技術を研究する組織を設置したい、ということです。

我が国の製薬会社の非競争領域は欧米に比べて非常に狭く、

例えばMicrophysiological Systemsの様な新しい技術の導入の障害になっています。

また、医薬品の製品の成功確率は下がる一方です。

我が国において非競争領域を拡大し、我が国の医薬品の競争力を強化する組織を設立したいと思っております。

 

貴社の役に立てそうなことがある場合、当社の想いに共感いただける場合は、是非、お問合せ下さい。

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